「この場所に来ることが決まった時から、杏に全てを話す時期が来たとは思ってたわ。この家に住むことを決めた以上ね…」

ママが少し涙を浮かべて笑った。

「この家はね、クリスティーン一家の家なのよ。亡くなった当時から、クリスティーンの両親がこの土地をずっと守ってきたの。だから全てダンが住んでた時のままよ。」

ダン兄が少し驚いたようにママを見た。

「見覚えなかった?あなたも小さかったものね、覚えてなくても無理ないわ」


「あなたが今使ってる部屋は、当時のあなたの部屋よ。壁紙は張り替えてしまったから、分からなかったかもね。 そして杏の部屋は、生まれてくるはずだった、ダンの弟妹の為にクリスティーンが用意してた部屋よ。」