ずっと     好きな人♡♡

「え?待って……俺言ってなかった……っけ?」

「うん」

「マジごめん…そんな大事なこといい忘れてて。
今まで何百回何千回心の中で唱えてきたのに。
朱里が俺の彼女だったらいいのにって。
ずっと片思いだったから、何かもう幸せ過ぎてどうしていいのかわかってなかった」

 「私もいい忘れてて……それじゃ、花火大会が付き合った日ってこと?」

「そうだよね?って俺もよくわかんない」
頭をかいて困った様子だった。

「何かさ、朋は記念日大事なんだって」

「そっか。俺こういうの初めてだからよく分かんなくて…………何か悪い。
舞い上がってたけど、付き合うとかどんな風にしていいのか。
朱里のほうがそういうの詳しいだろうし……彼氏として足りないとこいっぱいだと思う。
もちろん研究?はするし、樹にも色々アドバイスしてもらおうと思うけど」

「研究って?」
申し訳ないけど笑ってしまった。
実験でもするのか?

「朱里……本当、告白すらちゃんと聞こえてなくて聞き返すようだし、どうしようもなく頼りない俺だけど……遅くなってごめん。
大好きだから…本当に好きだから付き合ってください」
真っ直ぐに見つめて言った。

「こっちこそ、花火大会の時にちゃんと言ってなくてごめん」
案外ほんと確認するだけだった。
モヤモヤが薄れた。