The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

日本酒が注がれた杯に、ひらひらと舞い落ちる桜の花びら。

なんともまぁ、風流ではないか。

「風情がありますねぇ、ルルシー」

「あぁ…。日本酒ってのもなかなか良いもんだな」

普段は滅多に飲むことはないのだが、たまには日本酒も良いものだ。

「本当。つい飲み過ぎちゃいそうね~」

アシュトーリアさんも、日頃の忙しさを忘れて昼酒を楽しんでいた。

「アシュトーリアさん、飲み過ぎは良くないですよ」

「まぁまぁ、良いじゃないですかシュノさん」

こんなときくらい、ちょっと羽目を外してもバチは当たるまい。

満開の桜を貸し切っているのだから、閉め出された他の花見客のぶんまで楽しむのが礼儀というもの。

「ルリシヤ、相変わらず進んでますね~」

「そうか?」

ルリシヤは幹部組の中で一番の酒豪なので。

さっきから、俺達の倍のペースで飲んでる。

にも関わらず、ちっとも酔っ払ってない。さすがだ。

この日本酒、かなりアルコール度数高めなんだけどな。お構い無しと来た。

頼もしい限りではないか。

「アシュトーリアさんじゃないが…つい酒が進んでしまうな」

「そうだな。桜は綺麗だし、酒は美味いし…」

しみじみと桜を見上げているルルシー。素敵。

しかし。

「アリューシャ喉渇いた~」

「あっ、待ってアリューシャ。それ日本酒だから飲んじゃ駄目」

「えー。だって皆透明なジュース飲んでるじゃん。アリューシャも欲しい」

透明なジュースって。これジュースじゃなくてお酒なんだけど。

アリューシャお酒飲めないんだもんな。可哀想に。

だが保護者のアイズ、そこはきちんと抜かりなく準備している。

「大丈夫。そう言うと思って、アリューシャには四ッ谷サイダー買ってきてあげてるから。これ飲んでね」

「わーい。四ッ谷~♪」

「…」

…それも透明だな、一応。

俺達のと違って、正真正銘のジュースだが。

「そうだわ、皆。桜餅食べる?帝室御用達和菓子店の桜餅買ってきたのよ」

そう言って、アシュトーリアさんは桜餅を出してくれた。