「お邪魔します」
「あら、皆来たわね。いらっしゃい」
アシュトーリアさんの執務室に向かうと、穏やかな顔をしたアシュトーリアさんが待っていた。
良かった。その顔を見たところ、きな臭いことではなさそうだ。
何だろうなぁ。
「今日はどうしたんですか?」
「あのね、お取り寄せしてたチョコレートが届いたから、皆で食べようと思ったの」
アイズ大正解。
さすが『青薔薇連合会』の次期首領。素晴らしい推測だ。
「やったー。チョコ~♪」
アリューシャは大喜び。チョコは良いよね。俺も昔は大好きだった。
「飲み物は何が良いかしら?すぐ持ってこさせるわね」
「俺は紅茶で」
「同じく」
「アリューシャレモンスカッシュ飲みてぇ」
「私はアイスコーヒーかな」
「私は…アップルティーにする」
「…」
皆それぞれ好きな飲み物をリクエストしたが、ルルシーだけは無言。
渋い顔でこめかみを押さえていた。
「ルルシーは?どうする?」
「…アシュトーリアさん。毎度のことではありますが…。いくら平和な状況だといえ、通常業務はいつも通りある訳ですから、遊んでいる暇は…」
仕方ない。ルルシーは素直じゃないから、俺が代わりにリクエストしよう。
「ルルシーは俺と同じで、紅茶が良いそうですよ」
「分かったわ」
「おいこらルレイア。何を勝手に」
「まぁまぁまぁルルシー。大丈夫ですよチョコくらい」
あくせく働いていても、ゆったり紅茶飲みながらチョコレート食べてても、同じく時間は流れるのなら。
楽しく過ごした方が良いじゃないか。
「それに、ついこの間まできな臭いことばかりだったじゃないですか。平和を楽しみましょうよ」
「…」
こんなときじゃないと満喫出来ないぞ。
「そうそう、それに私だって、ここ最近ずっと皆でお茶出来なかったんだもの。たまには皆でゆっくり過ごしたいわ」
アシュトーリアさんは、切なげにルルシーに訴えた。
これが決定打になった。
「…分かりました。付き合いましょう」
「うふふ、良かったわルルシー」
うんうん。そう来なくちゃ。


