「…ちっ」
二度目の舌打ちが出てしまった。
これは、見た目以上に厄介だぞ。
ここまで鮮やかに正体を見破られて、よくもまぁ笑えるものだ。
怯えるなり、必死に言い訳するなら可愛いげがあるものを。
言いたくはないが、良くも悪くもこいつは、俺と同じタイプだ。
扱いにくいことこの上ない。
「あなた、名前は?」
ともあれ、まずは名前を聞いておこうじゃないか。
「先程そちらの男に名乗った通りだ。ヴァルタ・エリニア」
「ヴァルタ、ねぇ…」
それが本名なのか、否か。
「さっき俺にもそう名乗ったぞ」
と、ルルシー。
「ふーん…」
信用出来ないな。いつぞやのカセイだって、三つくらい名前を使い分けてたからな。
俺も人のことは言えないがな。
「心配しなくても本名だ。こそこそ偽名を使うような、回りくどい真似はしない」
ヴァルタは俺の心境を見透かしたように言った。
…あぁ、本当やりにくい。
オルタンスとは、また違ったタイプの面倒臭さだ。
「それは結構。ということは…自分が箱庭帝国の人間だと認める訳ですね?」
「あぁ、認めよう」
何で上から目線なんだ。苛つく。
俺は自分が偉そうにするのは大好きだが、他人に偉そうにされるのは大嫌いなのだ。
「で?箱庭帝国の裏切り者が…俺に何の用です?」
今ここにいるということは、こいつは間違いなく脱国者だ。
あの国では、国民が国外に自由に渡航することは出来ないのだから。
おまけに、密やかに隠れて暮らすのではなく、『青薔薇連合会』に堂々と入ってきやがった。
ということは、あのルルシーのところの準幹部の嫁とは話が違う。
何か良からぬ目的があって…俺達に挑みに来たのだ。
「…分かってると思いますが、我々に危害を加えようとして、生きて帰れるとは…思っちゃいませんね?」
俺がそっと拳銃に手を伸ばすと、ルルシーも同時に臨戦態勢に入った。
言っておくが、俺達が二人揃えば、この世の誰にも負けないぞ。
オルタンスでもぶっ殺してやれる。
この女がどれほどの実力者かは知らないが…俺達二人を相手にして、かすり傷の一つでもつけられれば良いがな。
しかし。
「私は戦いに来たのではない」
ヴァルタは怯えもせず、応戦する様子も見せず、淡々とそう答えた。
二度目の舌打ちが出てしまった。
これは、見た目以上に厄介だぞ。
ここまで鮮やかに正体を見破られて、よくもまぁ笑えるものだ。
怯えるなり、必死に言い訳するなら可愛いげがあるものを。
言いたくはないが、良くも悪くもこいつは、俺と同じタイプだ。
扱いにくいことこの上ない。
「あなた、名前は?」
ともあれ、まずは名前を聞いておこうじゃないか。
「先程そちらの男に名乗った通りだ。ヴァルタ・エリニア」
「ヴァルタ、ねぇ…」
それが本名なのか、否か。
「さっき俺にもそう名乗ったぞ」
と、ルルシー。
「ふーん…」
信用出来ないな。いつぞやのカセイだって、三つくらい名前を使い分けてたからな。
俺も人のことは言えないがな。
「心配しなくても本名だ。こそこそ偽名を使うような、回りくどい真似はしない」
ヴァルタは俺の心境を見透かしたように言った。
…あぁ、本当やりにくい。
オルタンスとは、また違ったタイプの面倒臭さだ。
「それは結構。ということは…自分が箱庭帝国の人間だと認める訳ですね?」
「あぁ、認めよう」
何で上から目線なんだ。苛つく。
俺は自分が偉そうにするのは大好きだが、他人に偉そうにされるのは大嫌いなのだ。
「で?箱庭帝国の裏切り者が…俺に何の用です?」
今ここにいるということは、こいつは間違いなく脱国者だ。
あの国では、国民が国外に自由に渡航することは出来ないのだから。
おまけに、密やかに隠れて暮らすのではなく、『青薔薇連合会』に堂々と入ってきやがった。
ということは、あのルルシーのところの準幹部の嫁とは話が違う。
何か良からぬ目的があって…俺達に挑みに来たのだ。
「…分かってると思いますが、我々に危害を加えようとして、生きて帰れるとは…思っちゃいませんね?」
俺がそっと拳銃に手を伸ばすと、ルルシーも同時に臨戦態勢に入った。
言っておくが、俺達が二人揃えば、この世の誰にも負けないぞ。
オルタンスでもぶっ殺してやれる。
この女がどれほどの実力者かは知らないが…俺達二人を相手にして、かすり傷の一つでもつけられれば良いがな。
しかし。
「私は戦いに来たのではない」
ヴァルタは怯えもせず、応戦する様子も見せず、淡々とそう答えた。


