The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

さすがにこれには、俺もカッとなった。

御託なもんか。これが。

俺だって、遊びでやってるんじゃないのだ。

「真剣に言ってるんだ。頼むから、俺の話を聞いてくれ。『厭世の孤塔』を相手にするのは時期尚早だ。もう少し落ち着いてから…」

あんな、骨の髄までマフィアに染まりきった人間を組織に引き入れたら、どうなるか。

少年が多い『セント・ニュクス』の構成員に、どんな影響が及ぶか。

想像するだけで冷や汗が流れた。

仲間にするくらいなら、殺してしまった方がまだましなくらいだ。

でも…殺せば、今度は奴らに恨みを植え付けてしまうことになる。

報復に怯えるくらいなら、最初から手を出さない方が良い。

それなのに、グリーシュは聞く耳を持たなかった。

「良いから、早くしろ。言い訳してる暇があったら頭を動かせ。お前の専売特許だろ」

「…」

俺は、拳を固く握り締めた。

やはり、話し合いをするつもりはない、と。

ここで言い返せば、またグリーシュと口論になるのは目に見えていた。

そしてグリーシュは…どれだけ言い争っても、自分の意見を曲げはしないだろう。

口論するだけ、無駄だ。

「…なぁ、グリーシュ」

何でも相談し合える仲だと思ってたのは、俺だけだったのか?

そう言おうかと思った。

「…何だよ」

でも、出てきたのは違う言葉だった。

「…俺達って、仲間だよな?…親友、だよな?」

「…」

グリーシュは少し黙って、そして、俺から視線を逸らして答えた。

「…当たり前だろ。分かったことを聞くなよ」

「…そうだな。あぁ…そうだ」

それを聞けて、良かった。

そう、俺達は仲間だ。親友だ。家族なのだ。

信じて良いのだ。

俺はグリーシュの、相棒だから…だから、彼が望むようにしよう。





…思えばグリーシュは、このとき既に…腹を決めていたのだ。