The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

その日グリーシュは、険しい顔をして、俺の部屋を訪ねてきた。

顔つきだけで、彼が何の為に俺に会いに来たのか分かってしまった。

「ルニキス。次はこいつらだ」

「…」

グリーシュは、俺とほとんど会話をしなくなって久しいが。

敵組織を襲撃、併合することに関してだけは…俺を頼ってきた。

部隊を動かすことにかけては、グリーシュより俺の方が適任だったから。

作戦を考え、下準備をし、それを実行するのは全部、俺の仕事だった。

グリーシュがやることと言えば、こうやって、次のターゲットを見つけてくることだけだった。

先週もやったばかりなのに…またやるつもりなのか。

「…!?」

グリーシュから、次のターゲットを記した書類を受け取って。

俺は目を疑った。

「グリーシュ、これ…本気なのか?」

グリーシュが示した次のターゲットは、『厭世の孤塔』の残党だった。

まさか…そんな。

いくらなんでも、無理が過ぎる。

「本気に決まってるだろ?」

「…やめた方が良い、グリーシュ。奴らに恨みがあるのは分かる。でも、あいつらは…」

『厭世の孤塔』と言えば、小規模だがやり口が非常に凶悪なことで有名だ。

俺達も、身を以て知ってる。

下手に手を出せば、あのとき以上に恐ろしい報復が待っているだろう。

ある意味で『青薔薇連合会』よりタチが悪い。話し合いが通じないのだから。

そして…話し合いが通じないのは、俺達も同じだった。

「あまりにも危険だ…。悪いことは言わない。やめた方が良い」

「いくら敵が強くても、お前なら何とか出来るだろう?お前に倒せない敵なんているのか」

「俺一人だけが強くても仕方ないだろう?それに…勝てたとしても、『厭世の孤塔』の残党を併合するのは難しい。あいつらは俺達とは違う。骨の髄まで裏社会の人間なんだ。恨みを持った奴らが、俺達の言うことに従うとは、とても…」

「…はいはい。また偉そうな御託が始まったな」

グリーシュは、うんざりしたような溜め息をついた。