The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

何度も言っているように、俺はこれ以上、組織を大きくすることに反対だった。

しかし、それ以上に…グリーシュと対立したくなかった。

グリーシュはあの頃の俺にとって、大事な相棒だった。

ルレイア、それにルルシー。お前達なら気持ちが分かるだろう?

好き好んで、大事な親友と喧嘩をしたい人がいるものか。

俺だってそうだった。グリーシュと対立したくなかった。

でもグリーシュと喧嘩をしないようにするには、とにかくグリーシュの言いなりになるしかなかった。

彼はもう、俺と話し合いをしてはくれなかった。喋るにしても、事務的な会話を少しするだけだった。

グリーシュは明らかにピリピリしていた。年下の構成員に怒鳴り付けたり、腹が立つと手が出てしまうこともあるようだった。

リーダーがこんなことでは、部下達も気分が悪くなるのは当たり前だ。

不満を訴える部下達を、俺はなんとか宥めすかそうとした。俺は一人で、彼らの不満を抑え込んでいた。

何とかしなければ、と思った。

とにかくグリーシュを一度落ち着かせないことには、どうにも出来なかった。

グリーシュはすっかり意地になってしまっている。早く強くなりたい、早く『青薔薇連合会』に勝ちたいと、気持ちばかりが急いていたのだ。

あの組織で、グリーシュに意見出来るのは俺だけだった。

『セント・ニュクス』には、『青薔薇連合会』のように幹部や準幹部なんていなかった。

リーダー二人と、それ以外。そういう位置付けになっていた。

だからリーダーである俺達にかかる負担は、とても大きなものだった。

本当は、俺も『青薔薇連合会』のように管理職を作り、もっと効率的に部下をまとめたかった。

けれどグリーシュは、そういうことには無頓着だった。

俺が何度提案し、実行しようとしても、彼は耳を貸してくれなかった。

『セント・ニュクス』は俺達二人の組織だ。俺の一存で勝手に決める訳にはいかない。

それなのに今や、グリーシュは自分の一存だけで全てを決めようとしていた。

俺はグリーシュと仲違いしたくはなかった。また昔みたいに、一緒に仲良く過ごしたかった。

グリーシュと過ごした日々のことを、俺は忘れられなかった。

グリーシュが望むくらいに『セント・ニュクス』が大きくなれば、彼は昔の彼に戻ってくれるかもしれない。

そう思って、俺はグリーシュの言いなりになっていた。

我ながら、酷く愚かだった。

俺はあれだけ扱き下ろされたにも関わらず、まだグリーシュとの絆を不変のものだと信じていたのだ。




そして、決定的な事件が起こる。