The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

「何でそこまで、組織を大きくすることにこだわるんだ、グリーシュ。『青薔薇連合会』に対抗する為だと言うけど、正直…それはまだ無理だと思う。『青薔薇連合会』はヤワな相手じゃない。今の俺達じゃ、とてもじゃないが無理だ」

「…それを何とかするのが、お前の仕事じゃないのか?」

「何とかしようとしても、出来ないことだってある」

「案外大したことないんだな。元貴族様も」

…それは、確かに…俺の不徳なのかもしれないが。

だからって、鼻で笑われる筋合いはない。

「頼むから突っかからないでくれ。俺はお前と対立したい訳じゃないんだ」

「そりゃお前は、生まれたときから温室育ちだもんな。俺達と違って、何の修羅場を乗り越えてきた訳でもない。ちょっと強くなったら、もうそれで満足してしまえるんだ。何の野望もないし、自分の保身のことしか考えない」

「…」

俺は唇を噛み締めた。

確かに、俺はグリーシュと比べれば、温室育ちだったかもしれない。

だからって、何の苦労もなくぬくぬくと育ってきた訳じゃない。

それに、保身のつもりでこんなことを言ってるんじゃない。

本当に保身を考えるなら、そもそもマフィアなんかになったりしなかった。

あのとき、周りの勧めの通りにクレマティス家の当主を継いでいたはずだ。

「俺はこんなところじゃ立ち止まらない。早く強くなって、『青薔薇連合会』 も帝国騎士団も黙らせる存在になるんだ」

「グリーシュ…!」

「うるさい。『セント・ニュクス』を作ることを決めたのは俺だ。俺がリーダーなんだ。俺に従えないのなら、何処にでも出ていけよ」

「…!」

それは、それだけは。

絶対に言ってはいけないことじゃないのか。