The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

「相変わらず、元貴族様は御託ばっかりだな」

「グリーシュ…!」

最近のグリーシュは、俺のことを「元貴族様」と嫌みを込めて呼んでいた。

どうしてグリーシュが、口を開けば俺の過去をあげつらうのか、理解が出来なかった。

確かに俺は元貴族だ。でも、今は『セント・ニュクス』の仲間だろう?

親友だったはずじゃないか。それなのに、どうしてそんな風に俺を呼ぶ?

「そうやって理屈こねて偉ぶって、無学な俺達を馬鹿にして満足かよ?こいつは馬鹿だから何も分かってないって腹の中で嘲笑ってるんだろ」

「そんなことはしてない…!グリーシュ、俺はもう貴族じゃないんだぞ」

どうして、それが分からない?

グリーシュを馬鹿にしたことなんて一度もないのに。

「そうだな、元貴族様だもんな。実の兄貴に家を追い出された、お可哀想な元貴族様だ」

「…!」

元、の部分を強調して、グリーシュは言った。

…こんな突っかかってくるんじゃ、話し合いもまともに出来ない。

俺は『セント・ニュクス』の行く末について、真剣に話し合いたいだけなのに。

グリーシュに扱き下ろされてる場合じゃないのだ。

「…俺の過去のことなんてどうでも良い。俺は、ただ俺達の未来について話し合いたいんだ」

俺は感情的にならないように、冷静にそう言った。

「頼むから、もう突っかかるのはやめてくれ。今、これ以上組織を大きくするのは危険だって言ってるんだ。俺達はもう充分大きくなった。これからは、組織内の統制に力を入れるべきだ」

「またそれか。もう聞き飽きたよ」

…そうだな。俺ももう言い飽きた。

同じことを…もう何回言ったことか。