The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

「…ルニキス。次はこの組織を襲撃しよう。『厭世の孤塔』の下部組織の一つだったらしい。今の俺達ならやれるよ」

「…」

「また策を考えてくれ。ルニキス…?」

「…なぁ、グリーシュ。前々から思ってたんだが」

グリーシュが、早く強くなろうと焦っているのは知ってる。

でも、だからって最近は…いくらなんでも。

言うまいと思っていたが、やはり言わなくては。

「しばらくは、動くのをやめておくべきだと思うんだ」

「…何で?」

グリーシュは、露骨に顔をしかめた。

「まずは今の状態を維持して、組織内の統制を行うべきだ。俺達、最近…焦り過ぎだ」

「…」

俺達は、小さな組織を次々と併合して、急激に組織の規模を大きくしていった。

確かに手段としては手っ取り早いのかもしれないが、この手段は問題も付きまとう。

何より、組織内の統制が取れていない。急激に組織が大きくなり過ぎているのだ。

だから俺は、まずそれを正すべきだと思っている。

組織を大きくするのも大事だが、大きくなり過ぎて内部崩壊なんて笑えない。

それに、あまりに急激に肥え太れば…『青薔薇連合会』を含む、大きな組織に睨まれてもおかしくない。

最近こいつら調子に乗ってきて、生意気だな、と目をつけられたらおしまいなのだ。

だから。

「最低でも一年…いや、二年くらいは、大人しくしておこう」

本当は、五年くらいは大人しくしておくべきだと思う。

こういうことは…焦って動かない方が良い。

しかし、グリーシュは。

「…ルニキス。俺達は、そんな悠長なことしてる暇はないはずだ」

「グリーシュ…」

「能天気にしてる間に、『青薔薇連合会』や帝国騎士団に睨まれたらどうするんだ?また仲間をみすみす失うつもりか?俺はそんなこと、絶対に許せない」

それは…俺だってそうだ。

一人だって仲間を失いたくはない。その気持ちは、グリーシュと同じだ。

「気持ちは分かる。でも焦って下手なことをすれば、その方が睨まれるだろう」

「嫌なんだよ、ルニキス。俺はそうやって、強い奴の顔色伺って、いつ潰されるかびくびくしながら怯えてるのが嫌で堪らないんだ!」

「…グリーシュ…。それは俺だって同じだ。だけど…!」

いくら嫌だからって、ここで焦ったら本末転倒なのだ。

マフィアとして軌道に乗ってきた今だからこそ、慎重になるべきだ。

しかし、グリーシュは納得しない。

その為俺達は、いつもこれで言い争いになった。