The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

いつの頃からだったか。

段々と俺達は、ずれていった。

きっかけは、組織の方針の違いだった。

グリーシュはとにかく、組織を大きくしようとしていた。あの『青薔薇連合会』にさえ対抗出来る組織にしようとしていた。

もう二度と、大きな組織の権力に潰されることがないように。

グリーシュの気持ちはよく分かった。裏社会では力が全て。力を手にすれば、俺達は何者かに怯える必要がなくなる。

持たざる者として貧民街に生まれたグリーシュは、誰にも負けない力を得ることに執着していた。

一方で。

俺は、これ以上組織を大きくする必要はないと考えていた。

『セント・ニュクス』はもう充分に大きくなった。俺達の身に余るほどの規模になった。

ここからは組織を大きくすることよりも、『セント・ニュクス』をこのまま維持し、ルティス帝国裏社会における立場をしっかりと固めるべきだと思っていた。

基礎が固まり、磐石を確かなものにした上で組織を大きくするのなら良いが。

今俺達は、歴史あるルティス帝国裏社会においては、ただの若輩者だった。

グリーシュは『青薔薇連合会』に対抗出来るほどの組織にしたい、と言うけれど。

今の俺達では、到底及ばない。『青薔薇連合会』に睨まれれば、あっという間に潰されるだろう。

当然のことだ。『青薔薇連合会』は『セント・ニュクス』とは比べ物にならないくらい大きな組織で、歴史もあり、ルティス帝国でその地位を磐石なものにしてきた。

新参者の俺達が、どうにか出来る相手でない。

勝てない相手に対して、無謀に立ち向かうことだけが勇気ではない。

少しずつ確実にやっていけば、いずれは『青薔薇連合会』も一目置く存在になるはず。

俺はそう思っていた。

時間なんていくらかかっても良い。十年二十年どころじゃない。百年かかっても、二百年かかっても良い。

実際『青薔薇連合会』は、それ以上の時間を経て今の地位を手に入れたのだ。

一朝一夕でどうにか出来ることじゃない。

しかし、グリーシュはそうは思わなかった。