The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

もう一つ余談。俺が料理の腕を磨いたのもこの頃だ。

最初期の『セント・ニュクス』は、俺より年下の少年達が多かった。

中には、十歳かそこらの子供もいた。

その為、俺達もそうだが、適当なものばかり食べていた。

三食ジャンクフードなんて当たり前だったし、中には野菜の種類なんて一種類も知らない、なんてつわものもいた。

これは大変宜しくない。

健全な身体作りの為に、食育は必要である。

そう思って、俺はグリーシュに相談した。

食べられるなら何でも良い、という生活を続けてきたグリーシュは、俺から相談を受けて驚いていた。

「特に深刻なのは野菜嫌いの子供が多過ぎることだな。この間なんて、野菜食べない、魚も食べない、肉とパンしか食べないって子がいた」

「それは…確かに不味いかもな」

あぁ。相当不味い。

子供の頃はまだしも、大人になってその食生活は致命的だ。

『セント・ニュクス』の構成員に、生活習慣病患者が続出してしまう。

子供の頃に適切な食育を行うことは、『セント・ニュクス』の未来にも関わるのだ。

大袈裟なようだが、この問題は深刻だ。

折角ここまで組織を大きくしたのに、生活習慣病で全滅なんて洒落にならない。

笑い事じゃないぞ。

「でも…どうする?食べろって言ったって食べないだろうし…」

「…うーん…」

「栄養士とか、料理人でも雇おうか。それとも、ここは心を鬼にして、無理矢理にでも…」

「…そうだな、よし。俺が作ろう」

「…は?」

生野菜をそのまま、でんと出しても彼らは食べないだろう。

ならば、野菜嫌いでも食べてもらえるメニューを、俺が作れば良い。

「…ルニキスって、料理作れるんだっけ?」

「ん?いや、作れない。今から練習するよ」

「…」

生憎、料理の心得はない。

でも、やって出来ないことはないだろう。

今からでも、俺はマフィアのリーダー兼、シェフになろう。

こうして俺は料理を勉強し、今ではすっかり料理が得意になった。

年下の子供達も、俺が作った野菜料理なら食べてくれるようになった。

食育、成功。

大変ではあったが、毎日楽しかった。

このままこんな日々が、続いて欲しいと思っていた。

しかし。