The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

グリーシュもまた、自分の過去について教えてくれた。

グリーシュは貧民街の出身だった。

幼い頃から両親に虐待されながら育ち、そしてグリーシュが十歳そこそこのときに親に捨てられた。

そして、路地裏で悪さをしていたところを捕まり、孤児院に放り込まれたと。

だからグリーシュはろくに教育を受けていなかった。

代わりに、裏社会で子供がどうやって生きていけば良いか、そのノウハウを知っていた。

それを、俺に教えてくれた。

だから俺は、グリーシュに読み書きや計算を教えた。

俺達はお互いに足りないところを補完し合っていた。

そうやって生きてきた。俺達は、比喩でなく…本当に、二人で一人だったのだ。

彼の隣は居心地が良かった。まるで、ずっと一緒に暮らしてきた家族のようだった。

グリーシュは…俺にとって、家族だった。

そして…あいつらも。

俺達は孤児院だけではなく、その界隈でもリーダーのような存在になっていた。

孤児院を始め、地域には行き場をなくした少年達が俺達のもとに集まってきた。

自然と、俺とグリーシュの周りには小さな不良グループが出来ていた。

当時の俺達の仕事は、運び屋をしたり、闇に流れてきた武器を売ったり、近辺の賭場を荒らしたり…まぁ、チンピラ紛いのことをやっていた訳だ。

それでも俺達にとっては立派なビジネスだったし、それによって得た金で、俺達は生活していた。

それなりに、規模も少しずつ大きくなっていっていた。

しかし、それはあくまでこの地区だけに限ったもの…。ごく一部の地域でのことだった。

俺はそれで充分だと思っていた。現状に満足していた。

少年達に慕われ、兄貴分として頼りにされる。

それはとても心地よいことだった。

…それなのに。