The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

二時間後。

「お前、なかなかやるじゃないか」

「…ビギナーズラックって奴じゃないのか?」

俺の財布は、ぱんぱんに膨らんでいた。

負け分は負担してやる、と言われたのだが…負け分どころか、勝ってしまった。

こんなところで運を使うなんて、勿体ない。

「どうだ?初めてのギャンブルは。楽しかったか?」

「…楽しくはないけど、運勝負じゃないことは分かった」

「だろ?」

俺は、完全にビギナーズラックで勝ったけど。

グリーシュが勝ったのは、運じゃない。

見ていれば分かる。

…所謂、イカサマって奴だ。

凄く巧妙で、上手くやってるけど…イカサマなのは明白だった。

ばれなければ、イカサマだろうと勝ちは勝ちだからなぁ。

「また行こうぜ。お前とのペア、なかなか良かった」

「…言っておくけど、俺にはお前のイカサマは通用しないぞ。もう見破ったから」

「初見で見破ったのはお前が初めてだ。驚いたよ」

「…」

この孤児院の子供は、皆頭が弱いからさ。

グリーシュのイカサマにも、気づかないのかもしれないけど。

俺から見たら一目瞭然だ。

「だから、お前を敵には回さない。今度から、お前と組んでギャンブルすることにするよ」

「…何で勝手に決めてるんだ?」

「良いじゃないか。ルリシヤの大胆なカード捌き、気に入ったよ。俺と組んでくれ。頼むよ」

…さっき会ったばかりで、ちょっと一緒にギャンブルやっただけなのに。

もう、歴戦の友のような言い方。

正直、俺はギャンブルなんて好きじゃないし、やっぱり楽しくはなかった。

勝ったのは嬉しいけど。

まぁ、でも…やっぱり、嫌な気はしないな。

だって俺、同い年の少年とこんなに喋るのって、初めてだから。

そのとき俺が、グリーシュの誘いを断らなかったのは。

初めて誰かに頼られたのが、嬉しかったからなのかもしれない。