The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

すると。

「…つーかさ。ルル公超怒ってるところ悪いんだけど…。ルル公、何に怒ってんの?」

「…何だと?」

アリューシャに問われて、ルルシーは喧嘩腰で聞き返した。

怖い怖い。

「ちょ、怒んないでよルル公。アリューシャが聞きたいのは、そんなに怒ることか?ってこと。この程度のこと、アリューシャ達が目くじら立てるようなことじゃないじゃん」

うん、まぁその通り。

アリューシャの言わんとすることは、的を射ているのだ。

更に、シュノさんもそれに同調した。

「…そうよね。攻撃を受けた系列組織は気の毒だし、腹立たしくもあるけど…。損害としては、大したものじゃないわ。他組織との抗争だって…珍しいことじゃない」

俺達『青薔薇連合会』は、ルティス帝国最大のマフィアだ。

そんな俺達にとって、対立組織との抗争は珍しいものではない。

むしろ、日常茶飯事と言っても良い。

この間の、『青薔薇解放戦線』の革命を思い出してみろ。

あれは、憲兵局という一国の政府との抗争だった。

あれと比べたら、国内の、それも、精々中規模のマフィアとの抗争なんて。

それほど恐れるべきものではない。

確かにルリシヤは脅威的だ。彼が敵に回るとなると、とても厄介。

でもルリシヤは、今ここにいる。

『セント・ニュクス』が怖いのは、ルリシヤがいるからに他ならない。

だから、今ここにいるルリシヤを、ふん縛って、地下監禁室にでも閉じ込めて、厳重に警備しておけば。

残りの『セント・ニュクス』の構成員なんて、取るに足らない烏合の衆も同然。

それとも、『セント・ニュクス』にはルリシヤ級の猛者がわんさといるのか?

まず有り得ない。それほどの戦力を持っているなら、『青薔薇連合会』より先に帝国騎士団を潰す方がよっぽど話が早い。

ぶっちゃけ、『セント・ニュクス』が宣戦布告して襲ってきたとしても。

俺達『青薔薇連合会』にとっては、別段怖くないのだ。

片手で捻り潰せる…とまでは行かずとも、両手があれば充分料理出来る。

ルティス帝国最大のマフィアを舐めるなよ。

アリューシャとシュノさんが言っているのは、そういうことなのだ。