The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

前例ってのは、作らなければずっとないままだからな。

何処かで一回、前例を作っておいても良いんじゃないかと思う。

「それは…それは帝国騎士団の話だろ。『連合会』のことじゃない」

「そりゃそうですけど…」

「大体ルレイア、何でそんなにルリシヤを推すんだ。お前らしくもない」

え。そう?

そうかな?俺、割と年下と後輩には優しいタイプだと思ってたんだけど?

「顔が好みだからか?」

「それはありますけど。でもそれだけじゃありませんよ」

弟的な存在が欲しいってのもある。いつまでも末っ子は嫌だし。

でも、それも理由の一つでしかない。

あと…俺がここで賛成しようと反対しようと…ルリシヤはどうやっても幹部になると思うんだよな。

その為に彼は、ここに来たんだろうから。

しかしそれも理由の一つに過ぎない。

一番の理由は。

「…自分の姿を重ねてるんでしょうね」

昔の、自分の姿を。

帝国騎士団に裏切られ、行き場をなくした自分の姿。

そう思うと、確かにらしくない。

いやいや、俺、元々自分に優しく他人にも優しいタイプだから。

ルリシヤにも優しくしてあげるんだよ。

「…ルレイア…」

「そんなに心配しないでください、ルルシー。ルリシヤは信用出来ますよ。かつての俺と同じですから」

俺達が裏切らない限り、ルリシヤも裏切らないよ。

だから、そこは信用して良い。

幹部になった暁に、彼が何をしたいのかについては不明だけどね。

それだって、俺達に危害を加えるようなものじゃない。

それだけ分かってれば、そんなにピリピリしなくて良い。

「ルルシーは、俺がルリシヤに撃たれたことを根に持ってるんでしょう?だから信用出来ないって言う」

「…それは…」

どうやら、図星のようだな。

そうだと思った。ルルシーにしては、反論に根拠がないから。

俺を撃ちやがったというだけで、ルルシーにとってルリシヤは敵なのだ。

だから、頑なに反対する。

その気持ちは分かる。分かるし、それに有り難い。

だけど、そこまで根に持つ必要はないのだ。

俺は無事だったんだし、そもそもルリシヤに俺を殺す意思なんて全くなかった。

だから。

「もう許してあげてくださいよ。ね?ルルシー」

「…」

ルルシーは、無言でルリシヤを睨んだ。

ここまで言えば、さすがのルルシーも折れるかな~と思ったが。

「…いや。やっぱり信用出来ない」

「ルルシーったら…頑固」

「頑固で結構。逆の立場だったらルリシヤをめった刺しにしてた癖に、偉そうなこと言うな」

「そりゃ当たり前ですよ。俺のルルシーに手を出した奴を許すはずないでしょう」

憲兵局を見てみろ。跡形もないぞ。

「なのに俺には、許せって言うのか?無理だ」

「…ルルシー…」

…全く。困ったちゃんだな、ルルシーは。

俺の次くらいに心が狭い。

でも、俺にとっては嬉しいことだ。

とはいえ、それとこれとは話が別。

「…ルルシー。それにアシュトーリアさん。俺はそれでも、ルリシヤを幹部にしてあげた方が良いと思いますよ」

俺は改めて、ルルシーとアシュトーリアさんに向かって意見した。