The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

…彼女の、人を見る目は確かだからな…。そんなに心配はしていないが。

「…顔は可愛いわよね。仮面をしててよく見えないけど」

分かる。

アシュトーリアさん、俺と同じ趣味してるな?さては。

「その仮面は、傷を隠してるの?それともファッション?」

「ファッションです」

「そうなの~」

なかなか趣味の良いファッションじゃないか。

ちょっと嫉妬。

「ルルシー、ルルシー。俺も仮面つけたら似合いますかね?」

「今でも充分インパクトある格好してる癖に、これ以上何をつけるつもりだ」

ルルシーが酷い。

今ルルシー、ちょっとイライラルルシーだから。ご機嫌斜めって奴。

「『セント・ニュクス』については、アイズからある程度教えてもらったわ。結成して数年足らずで、そこそこ大きな組織にしたそうじゃない。その手腕は本物のようね」

「…」

「それに、私の可愛いルレイアを暗殺しようとした、その実力も確かね。幹部になる適正は充分あるわ」

「…ありがとうございます」

うんうん、俺もそう思う。

才能は充分ある。昔の俺と一緒だな。

でもルリシヤには、昔の俺と同じ欠点があるのだ。

そこを、上手いことクリア出来るかが争点だな。

「…でもあなた、元『セント・ニュクス』のリーダーなのよね」

そう。それだ。

それが問題なのだ。

ルリシヤには実力がある。才能もある…。でも信用がない。

いつ裏切るか分からない。そもそもルリシヤがスパイでないという証拠が何処にある?

俺が以前、ルナニア・ファーシュバルとしてランドエルス騎士官学校に潜入したように。

ルリシヤもまた、『青薔薇連合会』に潜入しようとしてるだけかもしれない。

その可能性は排除出来ない。

「うちの幹部になって、一体何をするつもりかしら」

「…何も。『青薔薇連合会』を騙すつもりも、裏切るつもりもありません」

「信じてあげたいところだけど、組織の長としてはそうも行かないのよ。どうしてもあなたを疑わなきゃならないわ」

…うーん。やっぱりそうなるよなぁ。

一筋縄では行かない。俺のときもそうだったけど。

「…どうすれば信用してもらえますか?」

「そうね…。どうしようかしら…。うーん」

アシュトーリアさんは腕を組んで考え込んでしまった。

何をしてもらったとしても、信用は出来ないよなぁ。

ルリシヤほどの手腕があれば、俺達を騙す為にどんな方法を取ってきても不思議じゃない。

「…そうね、ルレイア。あなたはどう思う?」

「ん?ここで俺に聞きますか」

ご指名が入った。

「えぇ。昔同じ立場だったあなたは、どう思う?」

「うーん、そうですねぇ…」

他人事とは思えなくて、ルリシヤがちょっと可哀想、ってのが本音だが。

さて、何て答えたものだろう。