The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

さて、場所を移動して。

「改めて、お久し振りですね。ルニキス・エリステラ…でしたっけ?」

「…」

「聞いたところによると、あなた…『セント・ニュクス』ってマフィアのリーダーさんだそうじゃないですか」

ルルシーがめちゃくちゃ警戒しているのは、そういう理由もあるのだろうが。

俺は今、全く警戒なんてしていなかった。

何度も言うが、ルニキスにはもう、俺を傷つける理由はない。

「入院中、アイズに調べてもらった『セント・ニュクス』の資料を、俺も読みましたけど…」

改めて、『セント・ニュクス』について調べてもらったところによると。

彼らは俺達と同じ、ルティス帝国の非合法組織の一つ。

ただしその規模は、『青薔薇連合会』とは比べ物にならないくらい小さなものだ。

それでもルティス帝国の非合法組織の中では、中堅と言って良いほどの勢力はある。

ルティス帝国には俺達の他にも非合法組織は数々あるが、その半数以上が『青薔薇連合会』の下部組織だ。

つまり、俺達の子分ってこと。

でも『セント・ニュクス』は、『青薔薇連合会』の下部組織ではない。

『連合会』とは関係のない組織だ。平たく言うと…俺達の敵、に当たる。

また、『セント・ニュクス』の歴史はとても浅い。組織が出来てから、まだほんの数年ほどしかたっていない。

俺達がいまいち『セント・ニュクス』のことを知らなかったのは、そのせいでもある。

まだまだ新しい、出来たばかりの組織なのだ。

しかし、出来たばかりだというのにそこそこの勢力を持っていることは、素直に称賛に値する。

恐らく、リーダーであるこのルニキスの才覚によるものだろう。

このまま行けば、俺達『青薔薇連合会』の脅威になり得る…かもしれない。

ルニキスに、そのつもりがあれば、の話だが。

「俺が知りたいのは、あなたが何故、俺を襲ってきたか…です」

もう、大体のことは予測がついているけど。

本人の口から、ちゃんと確証が欲しい。

「『セント・ニュクス』のリーダーであるあなたが、『青薔薇連合会』の幹部である俺を闇討ちしようとした…。普通に聞けば、これはれっきとした宣戦布告です。俺達は報復として、あなたとあなたの組織を潰すことが出来る」

「…」

「でもまだそうなっていないのは、あなたがそのつもりじゃないことを知っているからです。あなたは…何をするつもりなんですか?何で、俺を闇討ちして、そしてのこのこ出頭してきたんです?」

「…」

ルニキスは黙って、俺の顔をじっと見つめていた。

ふーむ。まだ押しが弱いかな?