殺すなとは言われたが、無傷でとは言われていない。
相手が裏社会の人間なら、薬物耐性がついている可能性が高い。
とはいえ、こちらもその手のプロだ。
ルレイアじゃないが…捕虜を「素直にする」手腕は熟知している。
「喋らないつもりなら、こちらも考えがあるが」
「信じてもらえないかもしれないが、ルルシー。俺はルレイア・ティシェリーを暗殺しようとした訳じゃない」
「…何だと?」
痛め付けるまでもなく喋り出したのは良いが。
暗殺するつもりはなかった?
どの面を提げて、そんなことを。
「なら何の為に、ルレイアを闇討ちした」
「…ルレイア・ティシェリーの実力を確かめる為」
「…どういう意味だ?」
「俺は『青薔薇連合会』と対立するつもりはないということだ」
…要領を得ないな。
こういうやり取りは、嫌いだ。
ルレイアだったら、苛立って二、三発ぶん殴ってるところだろうな。
「もっと分かりやすく言え」
「そのままの意味だ。それから…勘違いしているようだが、俺は『セント・ニュクス』の人間ではない」
「何…?」
「今言えるのはそれだけだ。詳しい話はルレイア・ティシェリーが回復してからにしたい」
苛立ちのあまり、俺は牢屋の中に入り、ルニキスの胸ぐらを掴み上げた。
俺がここまで狼狽するのも珍しいだろうと、自分でも思う。
「貴様…自分の立場が分かってるのか?」
「あぁ…拷問されても、薬を打たれても構わない。俺はこれ以上喋るつもりはない」
「…」
俺は怒りのあまり、ルニキスの頬を思いっきり殴り付けた。
それだけだ。それ以上は何もしなかった。
無駄だと思ったからだ。
この男は、良くも悪くも…ルレイアに似ている。
喋らないと言ったら、殴っても薬漬けにしても爪を剥がしても、一言も喋らないだろう。
時間の無駄だ。
俺はルニキスを床に放って、牢屋を出た。
「…ルレイアの意識が戻るまでは、生かしておいてやる。そのときが来たら…」
「…あぁ。好きにしてくれて構わない」
ルニキスは唇の端の血を拭ってゆっくり起き上がった。
俺は振り返らずに、地下室を出た。
こんな男を相手にするくらいなら…ルレイアの傍にいた方が良い。そう思った。
相手が裏社会の人間なら、薬物耐性がついている可能性が高い。
とはいえ、こちらもその手のプロだ。
ルレイアじゃないが…捕虜を「素直にする」手腕は熟知している。
「喋らないつもりなら、こちらも考えがあるが」
「信じてもらえないかもしれないが、ルルシー。俺はルレイア・ティシェリーを暗殺しようとした訳じゃない」
「…何だと?」
痛め付けるまでもなく喋り出したのは良いが。
暗殺するつもりはなかった?
どの面を提げて、そんなことを。
「なら何の為に、ルレイアを闇討ちした」
「…ルレイア・ティシェリーの実力を確かめる為」
「…どういう意味だ?」
「俺は『青薔薇連合会』と対立するつもりはないということだ」
…要領を得ないな。
こういうやり取りは、嫌いだ。
ルレイアだったら、苛立って二、三発ぶん殴ってるところだろうな。
「もっと分かりやすく言え」
「そのままの意味だ。それから…勘違いしているようだが、俺は『セント・ニュクス』の人間ではない」
「何…?」
「今言えるのはそれだけだ。詳しい話はルレイア・ティシェリーが回復してからにしたい」
苛立ちのあまり、俺は牢屋の中に入り、ルニキスの胸ぐらを掴み上げた。
俺がここまで狼狽するのも珍しいだろうと、自分でも思う。
「貴様…自分の立場が分かってるのか?」
「あぁ…拷問されても、薬を打たれても構わない。俺はこれ以上喋るつもりはない」
「…」
俺は怒りのあまり、ルニキスの頬を思いっきり殴り付けた。
それだけだ。それ以上は何もしなかった。
無駄だと思ったからだ。
この男は、良くも悪くも…ルレイアに似ている。
喋らないと言ったら、殴っても薬漬けにしても爪を剥がしても、一言も喋らないだろう。
時間の無駄だ。
俺はルニキスを床に放って、牢屋を出た。
「…ルレイアの意識が戻るまでは、生かしておいてやる。そのときが来たら…」
「…あぁ。好きにしてくれて構わない」
ルニキスは唇の端の血を拭ってゆっくり起き上がった。
俺は振り返らずに、地下室を出た。
こんな男を相手にするくらいなら…ルレイアの傍にいた方が良い。そう思った。


