「違うんだフューニャ、プレゼントをあげる同僚っていうのは、女性じゃなくて」
「あら、男性ですか…」
そう、そうなんだよ。
「だから何も心配は…」
要らないんだ、と俺は言おうとしたが。
「じゃあ、中に詰める綿に刺す釘は…人形の股間部分に刺しておくことにしましょう」
ちょっと待って。釘を刺す位置が変わっただけで、呪いの人形に変わりはない。
「だ、男女で釘を刺す場所が違うのか…?」
「女性の場合はお腹の中、子宮に当たる場所に。男性の場合は股間です」
聞かなきゃ良かった。
めちゃくちゃ本格的じゃないか。背中がぞわっとした。
そんな人形渡されようものなら、どうなることか。
これは本格的にフューニャの誤解を解くことに専念しなくては。
見てみろ。フューニャ、俺の指の爪を眺めながら、「ペンチで剥がれますかね…」なんてぼそぼそ呟いてる。
俺の生爪を剥いで、呪いの人形を作るつもりだ。
フューニャ自身の爪じゃないから、まだましだけどさ。
「フューニャ…。あのな…上司に。上司に誕生日プレゼント渡すだけだから」
「上司…?…さては、あの方ですね」
「そうそう、あの方だよ」
フューニャも面識があるだろう。ルルシーさんとは。
良かった。これで分かってくれただろう…。
ほっと胸を撫で下ろしかけた俺だが。
しかし。
「とうとうあの方の性フェロモンにやられてしまいましたか…。あの方は強そうですからね。少々の呪いでは、呪いをかける私の方が返り討ちに遭いかねません。…仕方ありませんね、久々に…私も本気を出すことにしましょう」
「は?」
「少し待っていてくださいルヴィアさん。私はちょっと密室にこもって、呪力を高めてきます。あの方が相手とは…これは厳しい戦いになりそうです。でも、私にもプライドがありますからね。やれるだけのことはやります」
「ちょ、ちょっと待ってくれフューニャっ…。何言ってるんだ!?」
「止めないでください、ルヴィアさん…。私もあの方を呪うのは怖いですが、これもルヴィアさんの心を奪い返す為です」
奪うも何も、先に俺の心を奪ったのはフューニャなのだが?
って言うか、悪魔さえ呼び出せる(自称)フューニャでさえ恐れるなんて、ルレイアさんはどんだけ怖い人なんだ。
確かに怖い人ではあるけども。
俺は参加してないが、例の革命のとき、悪魔のような形相で無双するルレイアさんの姿は、正に死神のようだった、と部下が震えながら話しているのを聞いた。
俺、見なくて良かった。あれを見た部下の何人かが、あれ以来毎晩のようにルレイアさんの悪夢を見て、眠れなくなってしまったそうだ。
どちらかと言うと、そんな死神を手懐けられるルルシーさんの方が怖いよ。
いや…今は、そんなことより。
フューニャの誤解を解かなくては、フューニャとルレイアさんの呪い合戦が始まってしまう。
何としても、それだけは阻止しなければ。
「あら、男性ですか…」
そう、そうなんだよ。
「だから何も心配は…」
要らないんだ、と俺は言おうとしたが。
「じゃあ、中に詰める綿に刺す釘は…人形の股間部分に刺しておくことにしましょう」
ちょっと待って。釘を刺す位置が変わっただけで、呪いの人形に変わりはない。
「だ、男女で釘を刺す場所が違うのか…?」
「女性の場合はお腹の中、子宮に当たる場所に。男性の場合は股間です」
聞かなきゃ良かった。
めちゃくちゃ本格的じゃないか。背中がぞわっとした。
そんな人形渡されようものなら、どうなることか。
これは本格的にフューニャの誤解を解くことに専念しなくては。
見てみろ。フューニャ、俺の指の爪を眺めながら、「ペンチで剥がれますかね…」なんてぼそぼそ呟いてる。
俺の生爪を剥いで、呪いの人形を作るつもりだ。
フューニャ自身の爪じゃないから、まだましだけどさ。
「フューニャ…。あのな…上司に。上司に誕生日プレゼント渡すだけだから」
「上司…?…さては、あの方ですね」
「そうそう、あの方だよ」
フューニャも面識があるだろう。ルルシーさんとは。
良かった。これで分かってくれただろう…。
ほっと胸を撫で下ろしかけた俺だが。
しかし。
「とうとうあの方の性フェロモンにやられてしまいましたか…。あの方は強そうですからね。少々の呪いでは、呪いをかける私の方が返り討ちに遭いかねません。…仕方ありませんね、久々に…私も本気を出すことにしましょう」
「は?」
「少し待っていてくださいルヴィアさん。私はちょっと密室にこもって、呪力を高めてきます。あの方が相手とは…これは厳しい戦いになりそうです。でも、私にもプライドがありますからね。やれるだけのことはやります」
「ちょ、ちょっと待ってくれフューニャっ…。何言ってるんだ!?」
「止めないでください、ルヴィアさん…。私もあの方を呪うのは怖いですが、これもルヴィアさんの心を奪い返す為です」
奪うも何も、先に俺の心を奪ったのはフューニャなのだが?
って言うか、悪魔さえ呼び出せる(自称)フューニャでさえ恐れるなんて、ルレイアさんはどんだけ怖い人なんだ。
確かに怖い人ではあるけども。
俺は参加してないが、例の革命のとき、悪魔のような形相で無双するルレイアさんの姿は、正に死神のようだった、と部下が震えながら話しているのを聞いた。
俺、見なくて良かった。あれを見た部下の何人かが、あれ以来毎晩のようにルレイアさんの悪夢を見て、眠れなくなってしまったそうだ。
どちらかと言うと、そんな死神を手懐けられるルルシーさんの方が怖いよ。
いや…今は、そんなことより。
フューニャの誤解を解かなくては、フューニャとルレイアさんの呪い合戦が始まってしまう。
何としても、それだけは阻止しなければ。


