The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

「では坊っちゃん…。お部屋に案内しますので、こちらに」

「…」

あ…案内って。

案内されなくても…別に分かってるのだけど…自分の部屋の場所くらい。

それなのにわざわざ案内ということは。

…言うべきことは分かってるよな?ってことだ。

「…ユーレイリー」

「…」

「…許してはもらえないと思うけど…でも…ごめん」

無事に戻ってこれたんだから許して、なんて言えない。

口が裂けても言えない。

「…世話の焼ける主君です。私でなかったら…とっくに愛想を尽かしているでしょうね」

どうやら、俺は言うべき言葉を間違えなかったようだ。

ユーレイリーは、呆れたように溜め息をついた。

これで俺が言うべき言葉を間違えていたら、紅茶に変な薬混ぜられてもおかしくなかった。

「本当に…。俺に付き合ってくれる執事なんて、お前くらいだよ」

「仕方ありませんね。では…これからも、私があなたのお世話をさせて頂きます」

「宜しくな…。ユーレイリー」

帰ってくるべきところに、帰ってきた。

そんな気がした。

一休みしたら、次は…彼のところに、会いに行ってこよう。