「…豊かな国ですね。本当に…」
ルーシッド殿が手配してくれた、帝都に向かう車の中で。
セトナ様は、窓の外を眺めながらそう呟いた。
…全く以て同感である。
この国に来てから、ずっとそれを感じている。
ルティス帝国は、豊かな国だ。
…俺達の祖国とは、大違い。
そもそも箱庭帝国では、選ばれた人間しか車に乗ることは出来なかった。
乗れたとしても、人を輸送する為の無骨なトラックくらい。
音も小さければ、揺れも少ない、天井も高い。こんな快適な車に乗ったのは初めてだ。
車だというのに、まるでホテルみたいじゃないか。
それに何より、車窓から見える景色。
行き交う人々は、誰もが色とりどりの綺麗な洋服を着て、笑いながら歩いていた。
片手に携帯や、アイスクリームを持って…自由に街を行き来している。
箱庭帝国では有り得ない景色だ。
自分の意思で好きな服なんて着ることは出来ないし、携帯電話なんて持っている人は憲兵局でも一部の人のみ。
そうだというのに、ルティス帝国では…一般国民が当たり前に持っているのだからな。
ルティス民の笑顔が、酷く眩しかった。
このような景色を…俺達の祖国で見ることが出来たら。
俺が作ろうとしているのは、こんな国なのだ。
それを再確認した。
更に。
「…ここが?」
「はい。到着しました」
憲兵局の本部並みの、荘厳な佇まい。
ルティス帝国帝室の、宮殿である。
ここに、帝国騎士団長がいるとか。
なんと立派な建物だろう、と俺は感心してしまった。
大きさは、憲兵局本部と同じくらいに見えるが。
それだけに、俺は祖国の憲兵局に嫌気が差した。
ルティス帝国より遥かに小さな国なのに、国のトップが住む建物だけは、ルティス帝国に張り合っている。
国民は、狭いスペースに押し込められているというのに。
それに、大きさは同じくらいでも、外装の立派さはルティス帝国の方が遥かに秀でていた。
比べるまでもないほどだ。
…本当に、豊かな国だな。
隣国とのあまりの差に、俺は溜め息が出そうになった。
でも…諦める訳にはいかない。
俺も、箱庭帝国をこんな国にするのだ。
羨ましがるだけでは、終わらせない。
その決意を新たに、使用人に案内されて、俺はセトナ様と共に王宮に入った。
ルーシッド殿が手配してくれた、帝都に向かう車の中で。
セトナ様は、窓の外を眺めながらそう呟いた。
…全く以て同感である。
この国に来てから、ずっとそれを感じている。
ルティス帝国は、豊かな国だ。
…俺達の祖国とは、大違い。
そもそも箱庭帝国では、選ばれた人間しか車に乗ることは出来なかった。
乗れたとしても、人を輸送する為の無骨なトラックくらい。
音も小さければ、揺れも少ない、天井も高い。こんな快適な車に乗ったのは初めてだ。
車だというのに、まるでホテルみたいじゃないか。
それに何より、車窓から見える景色。
行き交う人々は、誰もが色とりどりの綺麗な洋服を着て、笑いながら歩いていた。
片手に携帯や、アイスクリームを持って…自由に街を行き来している。
箱庭帝国では有り得ない景色だ。
自分の意思で好きな服なんて着ることは出来ないし、携帯電話なんて持っている人は憲兵局でも一部の人のみ。
そうだというのに、ルティス帝国では…一般国民が当たり前に持っているのだからな。
ルティス民の笑顔が、酷く眩しかった。
このような景色を…俺達の祖国で見ることが出来たら。
俺が作ろうとしているのは、こんな国なのだ。
それを再確認した。
更に。
「…ここが?」
「はい。到着しました」
憲兵局の本部並みの、荘厳な佇まい。
ルティス帝国帝室の、宮殿である。
ここに、帝国騎士団長がいるとか。
なんと立派な建物だろう、と俺は感心してしまった。
大きさは、憲兵局本部と同じくらいに見えるが。
それだけに、俺は祖国の憲兵局に嫌気が差した。
ルティス帝国より遥かに小さな国なのに、国のトップが住む建物だけは、ルティス帝国に張り合っている。
国民は、狭いスペースに押し込められているというのに。
それに、大きさは同じくらいでも、外装の立派さはルティス帝国の方が遥かに秀でていた。
比べるまでもないほどだ。
…本当に、豊かな国だな。
隣国とのあまりの差に、俺は溜め息が出そうになった。
でも…諦める訳にはいかない。
俺も、箱庭帝国をこんな国にするのだ。
羨ましがるだけでは、終わらせない。
その決意を新たに、使用人に案内されて、俺はセトナ様と共に王宮に入った。


