和歌一首…芥川⑪桃太郎
桃太郎われらがヒーロー誰か否む冒すべからざるを一刀に切る
詞書:いいすね、芥川。面目躍如だ。往時の帝国主義政府を誰が批判し得ただろうか?大義名分で覆い隠した帝国の侵略性と暴虐ぶりを、桃太郎と供の動物たちの残虐行為で余すところなく描いて見せ、帝国軍など所詮人間一人一人が元々抱く獣性・欲望・矛盾を顕現化させてしまっただけの存在ではないかと切ってみせる。相手を鬼と称して責め、屈服させる姿なども今に通じる常世のことである。剰え帝国敗戦後の悲惨まで予見した観があり痛快である。👍
※ユーチューブ『桃太郎』語り:窪田等 ↓
https://www.youtube.com/watch?v=SfekR_vZjLw
※青空文庫『桃太郎』あらすじ ↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/100_15253.html
ところで…蛇足考:作中芥川はお供の雉を『地質学』に詳しいと描いているがその底意には往時彼が被災した関東大震災の体験があったからだそうな。大震災勃発時彼は妻子を尻目にいち早く家の外に逃げ出して妻文子から咎められているし、地震後には不逞の輩たる朝鮮人への自警団として武器を携えて町内の面々と付近を練り歩いたのだとか。さらにまた、川端康成らと共に(なぜか)吉原界隈の被災状況をわざわざ見に行こうと誘い立ち、川に浮かぶ花魁始め酷い姿の屍群を見ては生き生きとした様子で(?)辺りを動き回っていたとも云う(川端康成がそう記している。しかしそれではその川端自身はどうだったのか?彼は晩年に小説『死美人』をものにしているが)。とにかく、往時侵略に向かおうとしていた帝国日本を諫めるようなこの『桃太郎』始め、シニカルではあるが自他への責めと反省の思いを込めた、その為に透徹した目を注ぎ続けた、彼の作品群からは幾重にも矛盾を感じさせられるような、彼のこの実像なのであろうか…?
桃太郎われらがヒーロー誰か否む冒すべからざるを一刀に切る
詞書:いいすね、芥川。面目躍如だ。往時の帝国主義政府を誰が批判し得ただろうか?大義名分で覆い隠した帝国の侵略性と暴虐ぶりを、桃太郎と供の動物たちの残虐行為で余すところなく描いて見せ、帝国軍など所詮人間一人一人が元々抱く獣性・欲望・矛盾を顕現化させてしまっただけの存在ではないかと切ってみせる。相手を鬼と称して責め、屈服させる姿なども今に通じる常世のことである。剰え帝国敗戦後の悲惨まで予見した観があり痛快である。👍
※ユーチューブ『桃太郎』語り:窪田等 ↓
https://www.youtube.com/watch?v=SfekR_vZjLw
※青空文庫『桃太郎』あらすじ ↓
https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/100_15253.html
ところで…蛇足考:作中芥川はお供の雉を『地質学』に詳しいと描いているがその底意には往時彼が被災した関東大震災の体験があったからだそうな。大震災勃発時彼は妻子を尻目にいち早く家の外に逃げ出して妻文子から咎められているし、地震後には不逞の輩たる朝鮮人への自警団として武器を携えて町内の面々と付近を練り歩いたのだとか。さらにまた、川端康成らと共に(なぜか)吉原界隈の被災状況をわざわざ見に行こうと誘い立ち、川に浮かぶ花魁始め酷い姿の屍群を見ては生き生きとした様子で(?)辺りを動き回っていたとも云う(川端康成がそう記している。しかしそれではその川端自身はどうだったのか?彼は晩年に小説『死美人』をものにしているが)。とにかく、往時侵略に向かおうとしていた帝国日本を諫めるようなこの『桃太郎』始め、シニカルではあるが自他への責めと反省の思いを込めた、その為に透徹した目を注ぎ続けた、彼の作品群からは幾重にも矛盾を感じさせられるような、彼のこの実像なのであろうか…?



