ツイッター和歌集・1

和歌一首…芥川⑩あばばば…

背の吾子を「あばばば、ばあ!」とひたみちにあやす母親文士を度したり

詞書:煙草屋兼雑貨屋の初な人妻を誑かしてやろうかなどと一瞬でも邪心して面白がる文士の(もち芥川の)鼻穴から煙草の煙とともに悪魔が転げ出た…なる表現が実に意味深で面白い。如何にも煙草は悪魔だ、後程(文字通り同名の)「煙草と悪魔」の和歌も詠むがこの件は芥川の実と虚、光と影を象徴的に表していて「ふむ、面白い」とばかりに私はほくそ笑んだものである。因みにその吐いた煙は真面目一点張りで未だ世も知らぬ丁稚小僧の鼻に入り、吸った途端小僧は不可解とばかりに(?)くしゃみを一つしたのだったが、これもまた芥川が持つ世への冷笑かアイロニー表現なのであろう。この他にも、店の電話で掛けた先の意地悪な交換手に腹を立て、交換手が応答するまでベルを鳴らし続けたことや、「マッチの代は要らぬ(サービスします)」とする亭主に断固抗ってみせ支払ってしまうなど、一度凝り固まれば片意地なまでの芥川の頑なさを見る件などが面白い。これは万事に於いて「あるべき事実と正しさはこうなんだろう?」とつい詰問してしまう彼の性癖を現わしているのだろう。しかしこれを生きたフェルメール画が彼に問いそして癒したようだ。「フェルメールの絵の如き新婚の若夫婦の頭上に天使が…」を見、これは何?…とばかりに自らに問える芥川なのだ。そしてこれこそが芥川の真骨頂なのである。
※また「世之助の話」を匂わせたり、「たけくらべ」や鏑木清方などを述べてみたり…兎角芥川は面白い。

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