隠れ執着外交官は「生憎、俺は諦めが悪い」とママとベビーを愛し離さない


 真司さん……。

 真倫を抱いたまま、彼に背中を押されるようにしてリビングを一旦出る。バスルームなどを案内されつつ、廊下を奥に進む。

「ここが、俺たちの寝室」

〝俺たち〟と言われて心臓が跳ねた。

 大きなベッドがドンと真ん中にある。

「隣が君の部屋、と言っても君が好きなものを揃えたらいいと思って最低限の家具しかないが。こっちの扉はリビングとも繋がってるんだ」

 明るい部屋だった。ドレッサーに机と椅子。ロンドンでの私の部屋の雰囲気に似ている。

「そして、こっちの部屋は真倫の荷物をいろいろ置けると思う」

 真司さんの部屋も見せてくれた。

 私の部屋よりも狭くて、暗いだろう北西にある。

「真司さん、さっきの部屋を使ってください。私はこっちで――」

 あっ、言ってしまってから気づく。

 いつの間にかここに住むつもりになっていた。

「俺はいいんだ。どうせ夜しか使わないし日当たりは関係ないからな」