今日の体育は、

最後のバレーボールの授業だった。

私と檎人くんはまたしてもチームが分かれてしまっている。

そして、いくら練習しても上達しない私のチームに、

嫌気が差していた。

君のチームと対戦した時に、

檎人くんと、ようちゃん―――こと瑶菜ちゃんがハイタッチしているのを見て、

黒い感情が生まれた。

試合の喧騒が、やけに鮮明に聞こえる。

私の頭に、友達の春望ちゃんとの会話が甦った。



『バレーボール急に楽しくなった』



彼女もまた、檎人くんのチームで。

檎人くんのチームは、檎人くんを中心にまとめ上げられ、見事な戦略によって、

勝利を重ねてきたのだろう。

……そりゃ、楽しいよね。