切恋memory

ある日の給食中、

いつの間にか、須藤先生のモテ講座が始まっていた。



「小学生のモテるは、足が速いか遅いかだから」

「俺ワンチャンいけるかもしれない! 50mのタイム8.6秒」

「そういうこと言ってる奴が一番モテないよね」

「うん」



私は、友達の桧鈴(かいり)の発言に同意する。



「ただ、五・六年生から急に顔になる」

「無理だぁ」

「あと、リーダーシップがある奴。自分がリーダーだと思ってリーダーぶってる奴はモテない」

「俺の友達にもそういう人いるわー」

「お前だろ」

「えぇ、違いますって!」



真くんは、先生に言われて、慌てて否定している。

その時、檎人くんがこう訊いた。



「先生、晴弥は顔もよくてリーダーシップもあってモテると思うんですけどどう思いますか?」

「何、嫉妬してるの? 可愛いわね」

「そういうことじゃなくて」

「そうっすよ」

「お前は嫉妬してるだろ」



真くんと先生がじゃれ合う中、

内心私は、

檎人くんが一番モテるよ……と零していた。