切恋memory

掃除中。

琳季ちゃん、綾羽ちゃんと

恋バナをしながら掃いていると、

先生に「恋バナしてちゃダメでしょ!」と

指摘された。



「恋バナするとできるんですよ! ほんとですよ!」

「ふぅん?」

「そうそう! 恋はパワーだからね」

「ねぇ、先生って私の好きな人知ってる?」

「……うん、知ってる」

「わかりやすいですよね⁉」

「先生、私の気持ちって好きな人にバレてると思いますか?」

「……バレてないんじゃない? あいつ鈍感そうだし」

「綾羽ちゃんも鈍感だよね」

「橘樹くんの時『え、私⁉』って」

「先生、私って鈍感?」

「お前も人のこと言えないんじゃない?」

「えぇ~、鈍感?」



いつの間にか先生も参戦してるし。



「で、どうなの? 告白するの?」

「したいなぁとは思うけど……でも彼女いるし……迷惑かなぁとか……関係が崩れちゃうかもしれないし」

「やっぱそこだよね……するなら卒業式の後じゃない?」

「えぇ~、でも……」

「罪なオトコだよね~。自然教室までは別の人だったでしょ?」



去年も担任だった須藤先生は、

突然話を切り替えてきた。

自然教室ということは、五年生の時の話だ。

どうやら、私がいつから好きだったのか確かめたい様子。

私はこくりと頷く。



「五年の後期から、何か違くね?って思ってたよ」



と、先生。



「そう? 六年からだよ」

「一緒にいる機会が増えたよね」

「それはそう」

「瑶菜(ような)が一番最初に勘づいてた! 『あの二人お似合いだよね~って』」



琳季ちゃんの言葉に、思わずはにかんだ。