翌日。

覚悟を決めた私は、

バスに乗り込んだ。

けど、君は疲れているみたいで

話しかけづらく、

結局、気持ちをことはできなかった。

上の空で、バスガイドさんの話が

全然頭に入ってこないぐらい、

悲しかった。





帰りの専用列車にて。

落ち込んでいる私のもとに、

友達の美(よしみ)ちゃんがやってきた。



「はい」



彼女の手に乗せられていたのは、

水色のグミ。



「檎人からだよ。ほら、食べて」



その言葉とともに、

グミが放り込まれた。

口の中に、

酸っぱいソーダの味が

広がる。



「檎人、受験勉強で彼女と最近全然会えてないらしいよ」



 私は、お返しにクッキーを渡すよう

 頼んだ。





しばらくして、
再び美ちゃんがやってきた。



「これ、檎人から」



私の手に乗せられたのは、

"いちごもち"という赤の包装に包まれた

チョコらしきもの。

わざわざもう一度くれなくても

いいのに……。

そこで、ちょうど

おやつタイムが

終了した。





君が、どういう気持ちで

これをくれたのかはわからない。

ただ、心臓が、

甘く疼いた。