切恋memory

数日後の、

総合の授業中。

同じ班の銑(せん)くんが休みで

二人だけになった私たちは、

作業中に会話をしていた。

君は、私の好きな人を当てようとしていたけれど、

自分の名前は挙げなかった。

元五年二組の人だ

ってヒントを与えているのに。

檎人くんだって、元五年二組の一員なのに。

自分のこと、忘れているんだろうか。



「僕、菖が好きかわからなくなってきたんだよ。別れるなら早めに言ったほうがいいよなー」



これは、

君が私に教えてくれた

"本音"

私は、心が浄化されて、

軽くなっていくのを感じた。



「徠茜は、修学旅行の時に告白しないの?」

「しないよー」

「何で?」

「だって、好きな人に好きってバレちゃうもん」

「いいじゃん。男は告白されたら、その子が気になっちゃうもんなんですよ」

「そうなの?」



私は、ここぞとばかりに

質問を投げかけた。



「檎人くんは、告白されたら好きになる?」

「ん? ……まぁ、好きになるんじゃない?」



私は、告白するという決意が

強固なものになっていくのを感じた。