十二月に開かれる、
"雲雀(ひばり)小学校音楽会"
私たち六年生は、
ウィズニーメドレーの
合奏をする。
私は、学年でたった一人しかすることのできない、
ピアノのオーディションに応募した。
休み時間、
オーディションが終わって
教室に戻ると、
檎人くんに、「徠茜、バス隣だったよ」
と話しかけられた。
一瞬、バスキーボードのことを言っているのかと
勘違いしたけど、
すぐに、修学旅行のバスのことだって気づいた。
「……えぇっ⁉」
「何でそんなにびっくりしてるの?」
私は、「だ、だって、隣になると思わないじゃん」と
咄嗟にごまかした。
「徠茜の好きな人、修学旅行のバスで当てて見せるから」
電車のボックス席も、東照宮の班も、
一緒になれずに絶望していた私。
バスの席はくじ引きで決めるそうで、
隣になれる可能性はないと思っていた。
一縷の望みを捨てないで良かった。
神様は、私に微笑んだ。
でも、オーディションの結果が昼休みに発表される
緊張感と、
喜びで身体が支配されて、
私の心は複雑だった。
"雲雀(ひばり)小学校音楽会"
私たち六年生は、
ウィズニーメドレーの
合奏をする。
私は、学年でたった一人しかすることのできない、
ピアノのオーディションに応募した。
休み時間、
オーディションが終わって
教室に戻ると、
檎人くんに、「徠茜、バス隣だったよ」
と話しかけられた。
一瞬、バスキーボードのことを言っているのかと
勘違いしたけど、
すぐに、修学旅行のバスのことだって気づいた。
「……えぇっ⁉」
「何でそんなにびっくりしてるの?」
私は、「だ、だって、隣になると思わないじゃん」と
咄嗟にごまかした。
「徠茜の好きな人、修学旅行のバスで当てて見せるから」
電車のボックス席も、東照宮の班も、
一緒になれずに絶望していた私。
バスの席はくじ引きで決めるそうで、
隣になれる可能性はないと思っていた。
一縷の望みを捨てないで良かった。
神様は、私に微笑んだ。
でも、オーディションの結果が昼休みに発表される
緊張感と、
喜びで身体が支配されて、
私の心は複雑だった。


