十月。
今日は、
私の誕生日。
君に祝ってもらいたくて、
「誕生日おめでとう」と
言われるのを待っていたけど、
いつまで経っても、
その言葉が君から
発せられることはなかった。
君は、
私の誕生日を
憶えていないのかも
しれない。
翌日、
「私、昨日誕生日だったんだ」
と、さりげなく零してみたら、
君は、隣にいた友達と
一緒に拍手をしてくれた。
「え、待って、菖と誕生日一緒―――」
チクリ、と、
胸が痛んだ。
菖―――檎人くんの、彼女だ。
「あ、そうなの?」
私は笑顔を
取り繕ったけど、
内心は嫉妬でいっぱい
だった。
誕生日だけは―――その日だけは、
私だけを
祝福してほしかった。
君から
菖ちゃんの名前を
口にされる度、
再確認する。
檎人くんが好きなのは、
菖ちゃんなんだ
……って。
君の心にいるのは、
私じゃない。
今日は、
私の誕生日。
君に祝ってもらいたくて、
「誕生日おめでとう」と
言われるのを待っていたけど、
いつまで経っても、
その言葉が君から
発せられることはなかった。
君は、
私の誕生日を
憶えていないのかも
しれない。
翌日、
「私、昨日誕生日だったんだ」
と、さりげなく零してみたら、
君は、隣にいた友達と
一緒に拍手をしてくれた。
「え、待って、菖と誕生日一緒―――」
チクリ、と、
胸が痛んだ。
菖―――檎人くんの、彼女だ。
「あ、そうなの?」
私は笑顔を
取り繕ったけど、
内心は嫉妬でいっぱい
だった。
誕生日だけは―――その日だけは、
私だけを
祝福してほしかった。
君から
菖ちゃんの名前を
口にされる度、
再確認する。
檎人くんが好きなのは、
菖ちゃんなんだ
……って。
君の心にいるのは、
私じゃない。


