「はい」
「俺だ。……入っていいか?」
聞こえてきたのは、神室玲の声だった。
「どうぞ」というと、ドアを開けて神室玲が入ってきた。
「……どうされましたか?」
そう聞きながら神室玲の方を見ると、なんだか顔色が悪い。
いつものようにキラキラしていないし、疲れたような顔をしている。
「いや、せっかくだから夕食を一緒にどうかと思ったんだ。……俺は最近食欲がなくてな。美織が一緒に食べてくれたら楽しいと思って……」
私は神室玲の話を聞きながら、ため息を吐いた。
(あれだけ『私に近づくな』と言ったのに、この人、全然話を聞いていないのかな……)
私はきっぱり断ろうと口を開いた。
