「それにしても、神室玲と鈴子が婚約していたなんて……」
高宮家は神室家ほどではないものの代々続く名家だから、神室家と付き合いくらいはあるだろうと思ってはいたが、まさか二人が婚約までしていたとは。
私が神室家に居候していることがもし鈴子にばれたら、どんな恐ろしいことになるか……。
想像しただけで背筋が寒くなり、私は身震いをした。
「とにかく、おばあちゃんが帰って来るまでの数か月だけなんだから、より気を引き締めて、鈴子にばれないようにしないと……」
私が独り言を言っていると、誰かが部屋のドアをコンコンとノックした。
