(この間のことで誰かに話しかけられでもしたらどうしようかと思っていたけど、誰も近づいてこないみたい。……ああ、良かった!)
私はホッと胸をなでおろした。
(それにどうやら『あの人』も、今回は見逃してくれたみたいだし……)
そう考えていた、その時──。
「美織ちゃん!」
背後から声をかけられて、私はびくりと肩を震わせた。
聞き覚えのある声……。
やはり、見逃してはもらえなかったのだ。
「美織ちゃん、おはよう! 話したいと思って、ずっと待っていたのよ?」
私が恐る恐る振り向くと、『あの人』……高宮鈴子が取り巻きを連れて、微笑みながらこちらを見ていた。
