王子様が、呪われた私を気に入ったみたいです。



「おはよう。昨日はよく眠れたか?」

神室玲は微笑んでそう話しかけてくれたが、私はまだ胸やけが取れず、何とか苦笑いを返すのがやっとだった。

「なんだか顔色が良くないが……大丈夫か?」

「……大丈夫です」

席に着きながら言葉少なに返すと、神室玲が微笑んだ。

「ならいいが……。ところで、今日は土曜日だから登校する必要はないし、特に用事がなければ一日ゆっくりしていてくれ。もしどこか行きたいところがあれば連れて行くが……」

「いえ、大丈夫です。……それより、神室様にお話しておきたいことがあります」

私がそう言うと、神室玲は眉根を寄せた。

「昨日から思っていたんだが、その『神室様』というのはやめてくれないか? 玲でいい」

「……下の名前で呼べるわけがないじゃないですか」

「なぜだ? 君はうちの使用人でもないし、同じ学校の生徒だし、俺と対等だろう」