神室玲も少し安心したのか、息を吐いて微笑んだ。
「いや。俺も焦っていたから、説明もせずに無理やり連れて来て悪かった」
神室玲はそう言って、私に向かって頭を下げる。
「ちょ、ちょっと、やめてください! 神室様が私なんかに頭を下げるなんて……!」
最初はものすごく迷惑に感じたが、単なる使用人のためにわざわざ学校をさぼって私を病院に連れて行ってくれる上に、こんな風に頭を下げるだなんて……。
この人は、私が思っていたよりずっといい人なのかもしれない。
(学園一目立つ人だからって、勝手に苦手意識を持っていて悪かったな……)
私がそんなことを考えていると、車がゆっくりと停車した。
「病院についたみたいだな。……病室まで案内しよう」
神室玲はそう言って車のドアを開け、私の手を引いて車から降ろしてくれたのだった。
