(ダメ! 目を合わせたら、この人だってどんな目に遭うか……!)
ギュッと目を閉じて震えていると、神室玲が私の顎から手を放した。
「……っと、すまない、ちょっと強引すぎた。でも、君が佐倉美織かどうかだけでも教えてくれないか?」
そう言われて、私は何とか声を絞り出す。
「……は、はい。私が佐倉ですけど……」
そういうと、神室玲は一瞬ほっとしたような顔をした。
「そうか! 見つかってよかった……。じゃあ一緒に来てくれ」
「え、ええ!? ちょっと待って……!」
何が何だかわからず抵抗しようとしたが、神室玲に強引に腕を引かれ、黒塗りの車に乗せられてしまったのだった。
