「…………」
唖然としている俺を置いて、彩は慌てるように公園の端まで走っていく。
もともと小さいのに、こうやって遠くから見るとますます小さい。
ほんま、豆粒みたいやな…。
……鞄から何やらガサゴソ取り出して、すぐまたこちらに駆け寄って来る彩。
…………?
俺はまだ彩の行動が理解出来ず、キョトンと彩を見つめた。
「血…出てるから…
拭くね──…?」
そう言って、彩はおずおずとピンクのハンカチを差し出した。
………ふわっ……
──────!
マジで
心臓が止まるかと思った
「───っ……」
手を伸ばせば届く、こんなにも近い距離。
胸を締め付けるような淡い香り。
その潤んだ瞳に、俺を映して。
彩の瞳から見つめるもう一人の自分が、こちらを見つめる。
────…ッ
ギュッと目を閉じ、
もう今にもぶち壊れそうな理性を必死に守った。
「………ありがと。」
そう口にして、俺は誤魔化した。
───頭の中に散らばる、
“愛おしい”
その言葉を抱えて。



