Dearest 1st 〜Dream〜






「だって彩も悪くないやん?

それに自分から巻き込まれに行ったのは俺やから。」





そう言って、俺は微笑んだ。





彩は何も悪くないんだと信じさせたくて。






「……ありがと…」





彩もさっきより少し笑顔が戻ったようだ。





彩の笑顔を見れば、俺はすぐに嬉しくなる。





単純過ぎる自分に呆れるけど、俺はそんな自分が好きだ。






「…うん、そっちの方がええな。」





「え?」





──真っ直ぐに直視して、ブレないように彩を瞳に映す。






「俺は“ごめん”より

“ありがとう”って言われる方が好きやねん。



…謝られるの、あんま好きじゃないからさ。」






「………」






……これは俺の信念でもあった。





もともと俺は謝られるのが好きじゃない。





謝られると、俺が悪い事をした気になるからだ。






──“ありがとう”──





お礼を言われるならこっちの方が嬉しい。





お礼を言うならこっちの方が伝わりやすい。






……少なくとも、俺はそう思って生きてきた。






多分、間違ってはいないはずだ。







「……ありがとう……」





彩は俯いた顔を上げて微笑んだ。






……あぁもう。






もう理性が壊れる。





そのうち自分が決壊するかも。






その微笑みは、俺の傷さえ癒やしてくれる万能薬。





……いや、今は理性を飛ばされそうだけど。







「……ちょっと待ってて?」






……………?






彩はそう俺に告げ、小走りで走って行った。