─────……
………─────
「…………っ」
右頬に走る激痛。
唇にツーッと伝う、生暖かい血液。
おまけに、口の中がやけに鉄の味がする。
「……朝……岡さん…?」
───────!!
その声にハッと顔を上げた。
彩──…!
俺は彩を守れたのか?
「…彩、大丈夫か?」
「何…でっ……?」
──そう言って泣いている彩の顔を見て心底ホッとした。
……良かった……。
久しぶりに見る彩の顔は、笑顔ではなく泣き顔だったけれど……。
それでも、大粒の涙を零す彩を“愛しい”と心から思った。
「───ケガしてる……っ」
「泣くなって。
俺は大丈夫やから。」
──ポロポロ…。
そう言っても、彩の涙は止まらない。
泣くな……。
泣かないで……。
もう、大丈夫やから。
こんな傷、どうって事ない。
彩──…
君が、無事で良かった。
「…………」
震える指先で、そっと彩の涙に触れた。
その指先から感情が震えながら溢れる。
───堪らなく愛しいという感情が。



