「……ぶん……」
「正直……
俺からって事でピアス渡した時に、少し戸惑った表情をされました。
…そこで俺焦ってしまって。
“片方ずつ付けようか”ってムリヤリ渡した形になってしまったんです…。」
「……」
「朝岡さん。
やっぱり俺は朝岡さんからの方が喜ぶと思います。」
「………」
──無言で、ただ光放つピアスを見つめた。
十字架に散りばめられた白い光が、彩と重なる。
「──だから、この片方のピアスは朝岡さんから渡してあげて下さい。」
そう言うと、ぶんはにこっと笑いかけ更衣室へと消えて行った。
───…そうだろうか…?
果たして、君は俺から受け取ってくれるんだろうか。
本当に喜んでくれるんだろうか。
────プチンッ!
キーケースに、ピアスを突き刺す。
不安定に絡まる気持ちをそこに留めるかのように。
────キラッ…
何も知らないピアスは、ただ孤独に光を放った。
まるで、もう一つのピアスを探しているかのように。
まるでそれは、
───俺自身のように。



