マジかよ…
やっぱり前言撤回。
五月病は存在するな。
「………あーあ……」
ガックリうなだれている俺の耳に、
「──朝岡さん。」
そう呼ばれ、慌てて表情を切り替えて振り向く。
そこには、申し訳なさそうに立っているぶんの姿があった。
「…よぅ、どないしたん?」
少し不思議がちに見つめると、ぶんは握り拳を作った片手を俺に差し出した。
………?
ますます訳が分からず眉を寄せると──…
「──やっぱり、これは朝岡さんが持っておいて下さい。」
そう差し出されたのは…
「…………え……?」
そう声に出して、ギシッと胸が傷んだ。
──それはキラリと白い光を放つ、あの十字架のピアスだったからだ。



