「あーっ!朝岡さん!?」
車から降りた瞬間、頭上からチヒロの声が響く。
顔を上げると部員全員が三階の窓から手を振っていた。
「朝岡さーん!!
早く来てくださいねー!!」
「おー!すぐ行くー!!」
アミの声に手を振って答え、俺は駆け足で部室へと急ぐ。
彩の姿が確認出来なかったから、早る気持ちを押さえきれない。
───ガラッ!
「あっ来た来た♪」
開けたドアの向こう。
向けられた笑顔の中で俺だけの特別な笑顔を探す。
──…けど……。
「今日は彩ちゃん補習で休みなんですって♪」
───ガクッ!
チヒロがカラッとした笑顔でそう教えてくれた時…
瞬間的に肩の力が抜け、
骨がニ、三本抜けたくらいに気合いが抜けた。
「彩ちゃん、風邪引いたから補習三昧だって嘆いてましたよ」
「あ、そうなんや」
何気ない素振りを振る舞い笑う俺。
……ウソやろ……
俺……
ほんまにどんだけ運ついてないねん……



