「……最っ悪。
気分害した!!!
もう飲む気失せたし帰る!」
「───チカ!」
「知らない!帰る!」
「──チカちゃん!!」
────バンッ!
腕を強引に振り払い、
チカは居酒屋のドアを強く叩きつけるように閉めて出て行った。
「……………」
俺と吾郎、壱、マリアは時が止まったように凍り付いたままだったが──…
幸いにも、店の中は何もなかったかのように時間が流れ出した。
…………
茫然となってドアを見つめ立ち尽くす。
「…とりあえず、飲もうか?」
吾郎がムリヤリ笑って、場を和まそうとしている姿に胸が痛くなる。
「──…ごめん…
また迷惑かけてもうた…」
「なーに言ってんだよ!!
純、気にすんなよ!」
「……壱……」
「あれはいくら何でもワガママ過ぎるわよ。
純、今日のはよく言ったと思うよ。」
マリアがポンと肩に手を置いて笑う。
「ありがとうな…」
小さくなった声で礼を言うと、三人は“気にするな”と微笑んでくれた。
かけがえのない仲間の優しさが心に染みる。
いつも、支えてくれてありがとう。
恥ずかしいから口には出せなかったけど。
絶えることない感謝が、
ずっとこの胸で咲き乱れていた。



