──PM、7時前。
きっと飲んでなきゃ、
あの場をやり過ごせないだろうとの判断をした俺は歩きで吾郎達が待つ居酒屋へと向かった。
────ガラッ!
「いらっしゃいませ!」
こっちに住み始めてから行き慣れた居酒屋。
色んな種類のお酒と料理があって、リーズナブルで味もなかなか上手い。
だから、ライブ後の打ち上げや週末なんかはメンバーでよく飲みに来る店だ。
いつもなら、入った瞬間に気分が上がるのに今日は上がらない。
それどころか──…。
「純!!!!!!」
聞き慣れしたくない、このハスキーボイス。
「……チカ……」
表情からして相当ご立腹な様子だ。
…胃が痛い。
さらにその周りに、
萎縮したように座る吾郎、壱、マリアの姿が見える。
「……よ。
なかなかの縮みっぷりやな」
手を上げて軽く挨拶する俺に、三人は肩をすくめて“ごめん”と言う合図をする。
「純、飲み物何がいい?
もちろん飲むでしょ?」
俺が座ると、壱は待ってましたとばかりにメニュー表を広げた。
「あたし焼酎かな。
吾郎は?」
「ん?マリアと同じのでいいよ。純はどうする?」
「…んービールかな。」
壱、吾郎、マリアのいつもの会話が、俺に少しだけ笑顔をもたらした。
……のも束の間。
━━━━━バンッ!
机に、とてつもない衝撃音が走った。



