「彩によろしく!」
──…俺はぶんに手を振って窓から去った。
「──…はぁ……」
情けないな、俺…。
今更、都合のいい言い訳が溢れてくる。
──…“車あるから送ったろか?”
“ついでに俺も心配やから一緒に行くわ。”──…
──何故、その言葉が言えない。
思うだけじゃ伝わらない。
でも伝えたくても、伝えられない。
はがゆい。
もどかしい。
狂おしい。
人は、人を好きになるだけでこんなにも人を変えるものなのか?
君を想うだけで俺に与えられる、鋭くも甘い痛み。
その痛みまでもが、愛しく思う。
「……──っ……」
拳を握り、また胸を走る切ない痛みにギュッと耐えた。
「ほんま……
病気…かもな──…」
……そう、呟いて。



