「朝岡さん!!
これ本当に朝岡さんから渡さなくていいんですか?!」
俺は陽気な振りをして、ぶんに笑いかける。
「えぇよ!
変な意味じゃないし、俺よりお前からの方が喜ぶと思うし!!
──もしちょっとでも、
彩がいらん素振りしたらお前がどうにでも処分して!」
「……朝岡さん……」
「──あと、これも!」
───シュッ!
俺はまたぶんに目掛けて放り投げた。
「これ……」
「それで彩に何か栄養の付くもん買って行ってあげて!」
ぶんはまた動揺して金を握り締め、俺を見つめた。
……たった500円、2枚。
その2コインに、
先日渡せなかった差し入れの気持ちを乗せて。
本当は……
一番に、駆け付けてやりたい。
でも臆病な俺は、
あと一歩の勇気がまだ出ないから。
遠回りで素直じゃないけど。
どうか君が、
少しでも笑えるように。
──笑って、くれますように。



