──…次の日。
天気は昨日と打って変わって真逆の曇り空。
「雨降りそうやな…」
頼りない空と太陽を見上げて、車を地元へと走らせた。
─…♪♪♪……
車内に音楽をかけて、跳ねる気持ちを抑えようとしたけれど……。
「───…♪」
一緒になって運転しながら口ずさんでしまった。
曲はB'zの“Calling”。
ある時モノマネで何となくB'zの真似をしてみたら、びっくりするくらい声質が似ていた。
……多分その時から。
俺の歌声は定着してしまった。
「この歌詞えぇな…」
今度歌ってみよかな。
いつか……
いつか彩の前で歌ってみたいな──…。
──そんな漠然とした願いは……
悲しい形で叶う事となる。
この歌詞どうりに。
……この時の俺は、
まさかあんな形で君に歌うことになるなんて思ってもいなかった。
出来れば、
笑って君に歌ってあげたかった。



